全てのトロフィーを獲得した
全てのBGMを聴いた
全てのCGを見た
「――めでたし、めでたし」
「あなたの妹として生まれてきたと言うだけで、私は誰よりも幸せだったよ」
「向き合うのか、向き合わないのか。立ち向かうか、背を向けるか。さぁ……環くんは、どうするのかしら?」
「少しだけ、おやすみなさい。ほんの少しだけ、さようなら」
――終わらない演劇が、安らぎを与えてくれる
長い長い物語が、ようやく終りを迎えた。
「君のことを、心から愛しています。これからも、これまでも、君だけがあたしの、生涯のパートナーだから」
邪魔をするものなど誰一人としていない世界。小さなこの箱庭で、俺たちは物語を紡いでいく。
「――真実から、目を背けてはならない!」
「――気高い君の魂に、心からの感謝を。そして、僕も……君の想いに、殉じよう」
俺たちは、演劇と別れを告げる。幸せを追い求めると、覚悟したのだ。
劇場に響く拍手の音が、いつまでも鳴り止まなかった。
「――わたしは、ちゃんと、しあわせだ」
幸せなこの世界が、大好きです。
「私たちは、月を手に入れることが出来るのかな」
紆余曲折を経て、ようやくスタートした舞台公演への道。
「――さぁ、不条理を謳いましょう」
「夢と現の境界線を、役者たちは跨いで生きる」